終了

終わってみれば短かったもので、アメリカでの修行は終わりました。
思い返すと、叱られたことばかり。
上司のリンチェンに。
彼女はチベット人で、誇り高い人間だった。
ここで彼女の人間性を書き切ることはできないが、オレはリンチェンの下で働けたことを今誇りに思う。
ひとりの人間としてマジで尊敬に値します。ありがとうございました。
毎日リンチェンに叱られて、ハートがあまり強くないオレはたまに落ち込んだり。そんな日もあった。
朝起きて、今日あんま行きたくねーなーなんて思う日はたくさんあった。正直言うとね。情けねーけど。
でも、聞くに値しないオレの英語をちゃんと聞いてくれたのも彼女だった。
彼女は常々こう言う。

やりたいこと、やりたくないことをはっきりしなさい。
人間なのだから、完璧じゃない。
職員も利用者も人間だから、良い日も悪い日もある。
自分の心に嘘をつく必要はない。
その時の感情を隠す必要もない。
なぜなら私たちは助け合える。
ひとりじゃない。コミュニティなのだから。

オレの中になんの摩擦もなく入り込んだ言葉。
事実、彼女は機嫌悪い日はたくさんあった。
教室に入ってくるやいなや、超こえー顔して入ってくんだわ。
やべー。今日もボス機嫌わりーじゃん。なんてね。
なのにこの前、いつものようにこえー顔して入ってきて、急に振り返ってクラッカーを鳴らし、利用者の誕生日を祝うサプライズをしやがった。
なんかそれをわかっててこえー顔して入ってくるのには悪意を感じたが。
でも利用者はそんなリンチェンを尊敬し、愛していた。
厳しさ9で優しさ1ぐれーの人間だが。
時には日本の歴史や、チベットの歴史や、世界について、みんなで熱く語るだけの1日を過ごしたり。
障害をもってる人間も、歴史は知るべきだと言って。なるほど。
オレはあんたのような指導者になりたいと思うよ。
あんた以上に愛情のある指導者になりたい。
日本以外に尊敬できる人間と出会えたことはオレにとって財産です。
オレのアメリカのボス、リンチェンをはじめ、全てのスタッフ、クライエントに心から敬意と感謝を。
この経験は必ず日本でも生かすよ。じゃなきゃただのいい思い出になっちまう。
TAKAはこれからも目標に向かって歩いていくぜよ。

ってなわけで、5日からわけあって一時帰国するわけですが、今回はオレの大事な人全員に会う時間がないんです。
できることならみんなに会いたいけどね。。みんなはもうオレのこと忘れてるかもしんねーけど。。。トホホ
今回会えなくても、次の機会は必ず会おう。
そしてマイメンの晴れ舞台が待ってる。
その瞬間に立ち会えることをはやとに感謝。帰国を勧めてくれたれーこにも感謝。そして天国のじいさんにも。
全ての友人たちにも。

それでは…必ず来る再会の時まで、みんなの健康と多幸を祈ってる。