祝辞

この地に上陸して1ヶ月半。いつの間にか折り返しに差し掛かってました。
思い返せばあっという間。なんてふうには思えず、まだ1ヶ月半しか経ってねーのか…という内心。たまに落ちて。多少上がる日もあったりの日々。
今日はいっさいコメントを書かない今度結婚する親友に向けて。
スピーチを考えてたら、言葉の規制に嫌気がさしたんで、オレの言葉で。本音で祝福を送りたくなったもんで。言葉の規制がない祝福を今のうちに。ついでにあまり人に見せなかった自分もさらけ出そう。
オレのバックボーンは良くも悪くも、望む望まないも跡取り。尊敬と憎悪が共存する父の施設の2代目。酒と女と桃太郎電鉄が大好きな兄は尊敬するオレらの爺さんが作った会社の3代目。あくまでこのままいけばですが。これは恵まれた環境。いや違う。オレはあぁはなりたくねー。でも恵まれてる。そうか?ホントに恵まれてるか?……リピート…リピート…リピート……この繰り返しの人生。1人の時はガラにもなくこんなこと考えてます。もちろんエッチなことも考えたりするけどね。最近はご無沙汰なんで。テヘ♪
今では村で一番のスマイルを持つ男と呼ばれているオレ。実は少年時代オレの家庭環境はクソボロボロでした。思い出すと胃が痛くなるような、ここに書くのをためらうくらいの悲惨なこともあったり。
オレと兄上は何度自分の人生と父を恨んだかな。。
妄想の中で何度自分の父親を殺したことか。。
みんなと出逢わなければ、引きこもりかアダルトビデオの脚本家にでもなってたでしょうな。(決してアダルトビデオを中傷してるわけじゃなし。むしろたくさんお世話になってます。これからもソ○トオンデマンドさんには素晴らしい作品を期待してます。)
臆病なオレは兄とは違ってグレるタイプでもねーし。中学生になってグレた兄を当時は軽蔑してたりして。
そんなオレにも光が。グレかけの友人と出会い、結局自分もそっち側の友人ができた。仔犬のような繊細で壊れやすいハートのオレに光を射したのは当時グレかけのはやと君。
ヤツは同じクラスで、部活も一緒。初めて部活の見学会で最初のコンタクトをとった時、中学1年生のくせに舎弟を連れていた。しかも自分より上にも横にもでかいオッサンみてーな風貌の男を引き連れて。
ヤツは最高のタフネスと綺麗なシュートフォームを持っていた。仲良くなるのはすぐだったな。
オレらのキャラはドラえもんでいうとこのはやとがジャイアンでオレがスネ夫。周りは天然パーマの駄菓子屋のせがれとメガネの幼馴染と色黒のパチプロとムキムキのバカとその他もろもろ。全員タフでホットなハートのを持ってる上に全員エロい。
初めて見たAVは全員で色黒のパチプロんちでコーラを片手に見た。無修正ゆえにオレは衝撃でのぼせそうになった。みんな憶えてるかな?オレははっきり憶えてる。
ただはやとだけは微動だにせず不動明王の如くそれを見てた。その時初めてはやとかっけ〜って思った。
たまに後輩に教育的指導をしたり、先輩方のご指導を受けたり。いい日もあれば、悪い日もあったり。
オレらのホームタウンは小さい田舎町なもんで、オレんちは家の仕事柄他の家よりほんのちょっと噂の種になりやすい。噂ってのはすぐに広がるもんで、時々心無い人がオレに指差してヒソヒソ。「あそこの次男坊だよホラ、〜〜さんの」
聞こえてますけど?勘弁してくれよ。
ひどい時は直接オレになんやかんや聞いてくる野蛮人もいた。
「おめーんとこの親父すげーな」
たぶん、普通はこんなこと言われれてもなんも意識しねー普通の会話なんだろうけど、それを知っててわざわざ聞いてくるそのデリカシーのなさと、ニヤニヤした顔に強烈な悪意を感じたな。
ついこの前まで優しくしてくれてた小学校のクラスメイトの母親達が、手のひらを返す。そんなPTAの方々が嫌いだった。ただ、ムキムキのバカの母ちゃんと、幼馴染のメガネの母ちゃんだけはオレに優しかった。たけし、たけや、おめーらの母ちゃん。大事にしてくれよ。
ホントに心の無い低俗の人間っているんだってことを知る12歳。
オレの周りの友人達も、みんなオレんちの環境のことは当時知ってたと思う。噂が1人走りするこの村ん中じゃ知らない方がおかしい。
でも、オレの心境を察してかどうかは今もわからんけど、誰ひとりオレになにも聞いてこなかった。ブラザーズ!マジでありがと。
後から聞くとみんながみんなみんな何ももめごとがない家庭環境で育ったわけじゃねーことを知る。毎日夜中に集まってドンチャンやる中学生の子を持った親なら当然いい気がしないよね。それで親子同士のケンカになったり。でも当時は楽しすぎて、それでも集まり毎日友情を深めるボクたち。う〜ん。
ただはやとの両親はすげー心が広かった。マジで。カタギじゃねーだろーってルックスの父ちゃんと、明るくて超優しい母ちゃん。
そんな両親の元で育ったからすげーいい男になったんだな。
なんやかんやで時は経ち、みんな大人になりました。オレ大学生、はやと社会人。
実家帰ったとき2人で飲むことんなって、語ったな〜。過去のこともたくさん。オレは当時自分の目標がグラグラで、ただ遊ぶのが楽しかった頃、某有名企業に勤めるはやとは高卒ながら異例の若さで出世してました。平賀の悪役レスラーと呼ばれたキミが、社会に認められて出世していく様は、オレにとっては希望でした。周りの大卒全員喰っちまえって大学生ながら思ってたよ!
いい感じに酔ってきてなぜかオレの親父の話になり、今も話した内容はほとんど憶えてないけど、ある言葉は憶えてる。彼の一言はオレに刺さった。
「おめーの親父はすげーよ」
仕事上、はやとの勤める会社とオレの親父の会社は取引先なもんで、仕事上でのことと、オレの過去とを踏まえての一言。この言葉を言われただけでなんで?って思う人もいると思うけど、ホントにたくさんの、色んな意味を含んだ重い一言だった。
もうその言葉を他人に言われて不快に思うオレじゃなくなっていることを、おめーにに見透かされてるようだった。
オレも歳を重ねるにつれて、親父のすごさはわかってきてた。でも過去の恨みの念が強いだけに認められずにいたんだわな。
いつの間にか軽蔑という感情の他に尊敬っていう心が生まれつつあるときに背中を押すような一言を言われた。もうオレの中では革命的な一言。
おめーが与える影響力はハンパねーよ。
今では世界一尊敬する人間は父と母の2人になってしまった。ガッハッハ。
はやとよ、おめーって人間から出た言葉だからガツンとオレの中に入ってきたんだ。いずれは親父の凄さを知ってたと思うけど、おめーが背中押してくれなきゃそれを知るのは何年も先になってただろうな。ましてや後を継ごうなんて思ってもみなかった。
その頃には海外で勉強できる歳じゃねーだろうし。
おめーの言葉があったから、オレは今ここにいれるんだよ。
オレはおめーになんかしてやれてんのかな?
与えてもらってばっかだな。いつか必ず返すから。
そんなおめーを嫁さんに獲られて内心寂しさもあるよ…しかも人の親になるなんてなぁ。考えられん。
でもこれは現実。これからもっと働かなきゃな!
世帯持ってもオレは構わずおめんちに飲み行くから。へヘヘ。おめーの嫁さんに嫌われるだろーな!迷惑だったらちゃんと言えよ。
本番はおめーの顔つぶさねーようにバッチリ公式用の言葉で祝わせてもらうからよ☆
7月。楽しみにしてる。間違いなくいい酒飲めるね〜。